シンガポール、2022年12月21日—フェデックス コーポレーション(NYSE: FDX)の子会社のフェデックス エクスプレス(以下、フェデックス)は、シンガポールの南太平洋地区ハブに、AIを搭載した貨物仕分けロボットを導入しました。この仕分けロボットの導入は、輸送業務のデジタル化とスマートな物流ネットワークの構築を目的とした継続的な取り組みの一環です。
シンガポールのフェデックスでは、より広範な業界のトレンドに対応するため、仕分け業務の自動化に注力します。物流業界ではパンデミックをきっかけに、倉庫管理からラストマイル配送までの業務効率の最適化が進められています。[1]スタティスタのデータによると、世界の倉庫自動化市場は2030年までに510億米ドルを超えると予想されており[2]、2022年から2030年までの年平均成長率は14.8%と大幅に増加することが見込まれています[3]。さらに、UnivDatos Market Insightsが発表した調査によると、新興国におけるECやヘルスケア関連の物流の成長により、アジア太平洋地域の倉庫自動化産業の市場シェアが大幅に拡大すると予測されています[4]。
フェデックスは2022年初めに、中国・広州のフェデックス中国南部EC貨物仕分けセンターにも同様のロボットアームを導入しました。シンガポールでの本プロジェクトは、シンガポールにおける航空産業発展と成長を支援するシンガポール民間航空局(CAAS)の主要な取り組みの1つである、航空開発基金の支援を受けています。
フェデックス エクスプレス シンガポールのマネージング ディレクターであるエリック・タンは以下のように述べています。
「ロボットアームの導入は、自動化やAI技術を活用して業務プロセスを最適化し、お客様により良いサービスを提供するための最新の取り組みです。フェデックスでは、倉庫の自動化に投資することでよりオペレーションの拡張性を高めてきました。CAASからのサポートにより、フェデックス シンガポールと現地政府機関の間でさらなる協力関係が構築され、お客様へのより良いサービス提供を目指すスマート物流インフラ構築に向けたフェデックスでの継続的な取り組みも前進します」
AI を搭載したインテリジェント仕分けロボットは1時間に最大1,000個の荷物を選別しています。また、仕分けロボットは1回につき最大5kgまで運搬することが可能で、最大100の仕向地の荷物の取扱いが可能です。この仕分けロボットには貨物をスキャンして目的地情報を取得するバーコードリーダーを搭載し、その精度は98.5%を超えています。これにより本ハブ施設での24時間体制の選別作業の実現を後押しします。
CAASのDirector of Aviation IndustryであるAngela Ng氏は、次のように述べています。
「CAASは業務効率の向上と雇用の変革をもたらす技術・自動化・デジタル化の見極め・試行・導入を行い、航空輸送会社と積極的に協業しています。フェデックスの仕分けロボットは一例であり、本プロジェクトにより、航空貨物処理の生産性が大幅に向上し、フェデックスのマンパワーがより付加価値の高い業務に従事できるような職務の再設計が可能となりました」
[1] What’s Next In E-Commerce: 6 Trends Shaping the Future
[2] Warehouse robotics market revenue worldwide 2021-2030
[3]Warehouse Automation Market Size to Reach USD 64,639 by 2030 Says Acumen Research & Consulting
[4] Warehouse Automation Market to Witness CAGR of 12% (2021-2027) Advent of Industry 4.0 and Increasing Demand for Automation and Material Handling Equipment | UnivDatos Market Insights