香港特別行政区、中国、2022年 1月26日 - フェデックス コーポレーション(NYSE: FDX)の子会社のフェデックス エクスプレス(以下、フェデックス)は、物流向けのロボティクス ソリューションプロバイダーであるDorabot社との協力により、AIを搭載したインテリジェント仕分けロボット、DoraSorterを中国にて導入をしたことを発表します。この仕分けロボットは、増え続ける電子商取引関連の荷物に対応するため、フェデックスの輸送業務のデジタル化と、スマートな物流ネットワークの構築を推進する取り組みの一環です。
フェデックスにとって中国初となるDoraSorterは、広州のフェデックス中国南部EC貨物仕分けセンターに(敷地面積5,200平方メートル)に配備されました。DoraSorterは、すでに仕分け業務の一翼を担っており、中国南部のEC関連のお客様の、比較的小さな輸出・輸入貨物を処理しています。 フェデックスとDorabot社のチームは、業務要件に基づくロボットの調整とさらなる応用に向けた探究を続けていますが、各仕向地向けに荷物を仕分けるDoraSorterの中核機能は、仕分けセンターのオペレーションプロセスに適合しています。DoraSorterの主な特徴は、次の通りです:
- 約40平方メートルの広さで、10Kgまでの荷物を運ぶことが可能。同時に100か所以上の仕向地の仕分けをカバー
- コンベアベルトとシームレスに連携できる、引き出し形状のグリッパーを搭載
- 荷物をスキャンして仕向地の情報を読み取るバーコードリーダーが搭載され、ロボットはグリッパーでコンベアベルトから荷物を受け取り、目的地のスロットに荷物を移動させる
このようなフェデックス施設の自動化に向けた投資は、より広範な業界におけるトレンドに呼応したものです。世界的なパンデミックをきっかけとして、物流関係者は、ECで取引される製品の需要増大や季節的なピーク、迅速な配送を求める生活者の期待の増幅[1]などに対処するため、倉庫管理からラストマイル配送までの業務効率を最適化しています。マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、倉庫の自動化に関する市場は2030年までに全世界で510億米ドルに達すると予測され[2]、 2025年までに、400万台を超える商用向けロボットが5万か所以上の倉庫に設置されると見込まれています。[3]
フェデックス エクスプレス アジア太平洋、中東、アフリカ(AMEA)地域 社長のカワ―ル・プリットは次のように述べています。
「ECがアジアの小売りの将来において中心的な存在となりつつある中、荷物が集荷され、お客様の玄関先まで配送されるスピードへの対応は、仕分けロボットの導入を推進する主な要因です。DoraSorterを試験プログラムとして中国に導入したのは、2025年までに3.3兆米ドル相当になるとされる[1]、世界最大のEC市場を見据えたものです。我々がお客様のデジタル経済での成功と、その手助けとなるデータ主導のスマートロジスティクスの構築を目指す中、Dorabot社との協力は、次世代のネットワーク構築に向けた取り組みの一つです。AIテクノロジーは、この地域のお客様をサポートする方法を変え続け、将来のサプライチェーンを強化することになるでしょう」
Dorabot社の創設者兼CEOのXiaobai Deng(鄧小白)氏は以下のようにコメントしています。「DoraSorterの利用は、フェデックスが越境ECの貨物を仕分ける上で役立っています。そして当社とフェデックスにとっては、これが世界的な協力関係の出発点となります。ともに協力して、AIとロボティクスの応用をより多くの企業や消費者にもたらすことができるようになると期待しています」
フェデックス中国のオペレーション担当副社長であるロバート・チュウは次のように述べています。
「お客様の変わりゆくニーズを満たすため、我々は輸送のカギとなるあらゆる要素を強化する新たな技術を探り、投資してきました。ECの急発展は、物流サービスで時間厳守と柔軟性へのニーズの高まりをもたらし、物流業界全体にとって新たな課題と機会を生み出しているのです。Dorabot社との協力は、中国のEC業界成長をサポートするロボティクス技術により業務効率を改善し、機敏性に富む物流インフラを構築するという我々の最新の取り組みなのです」
フェデックスは今後も、先進技術を活用して業務を合理化し、中国やその他地域のあらゆる規模のお客様がグローバル市場で商機をつかめるよう支援していきます。昨年10月に、フェデックスはNeolix社と協力して、中国で自律走行配送車の試験を開始しました。またフェデックスは非接触型のラストマイル配送という将来を探るため、アジア太平洋、中東、アフリカ(AMEA)地域でFedEx SameDay Bot®、Roxo™の試験も実施します。さらに、命を救う薬剤や緊急医療品といった重要な貨物のトラッキング精度、信頼性、時間厳守の配送を向上するセンサーベースのモニタリングデバイスSenseAware IDの提供も米国にて開始しました。
Dorabot社について
2015年に設立されたドラボットは強力な技術部隊を擁し、コンピュータービジョンやモーションプランニング、計画・推論、自律ナビゲーション、複数マシン連携、機械学習、その他の技術を利用して、自動インテリジェント倉庫管理ソリューションを供給しています。同社は、物流や倉庫業、リテーリング、EC、港湾航空、インテリジェント製造、その他の産業におけるお客様に、部品の供給、仕分け、輸送、デパレタイジング、アクセシング、荷上げ・荷下ろしなど、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたエンドツーエンドソリューションを提供しています。Dorabot社のソリューションは、お客様が労働力不足の問題を管理し、業務コストを削減し、業務効率を改善してデジタル化とインテリジェント化のレベルを高める上で役立っています。 Dorabot社は、人材の多様化と市場国際化の戦略を堅持しています。研究開発とオペレーションのセンターを深圳や広州、香港、順徳、杭州、ブリスベン、アトランタ、シンガポール、東京に設立しています。また同社は、2019年に世界経済フォーラムにより世界の「テクノロジーのパイオニア」に、2021年には「カーボンニュートラル技術のパイオニア」に選出されています。詳細については、下記をご参照ください。
[1] https://www.kantar.com/inspiration/coronavirus/ecommerce-soaring-during-covid-19
[2] https://www.mckinsey.com/industries/retail/our-insights/automation-has-reached-its-tipping-point-for-omnichannel-warehouses
[3] https://www.abiresearch.com/press/50000-warehouses-use-robots-2025-barriers-entry-fall-and-ai-innovation-accelerates/