Asia Pacific (Japanese)

フェデックス、日本の中小企業の貿易動向に関する調査結果を発表

~日本の中小企業は安定的な輸出増加を見込む一方、

専門性とスキルのある人材が不足~

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フェデックス コーポレーションの国際総合航空貨物輸送会社であるフェデックス エクスプレス(フェデックス、本社所在地:東京都千代田区、北太平洋地区担当副社長:氏家 正道)は、中小企業の貿易活動に関する実態を把握する調査結果を発表しました。

世界の中小企業9,000社を対象に行われた調査で、日本の中小企業は今後も貿易による収入に一定の期待を持っている半面、「スキルがある人材不足」が課題であると認識しており、貿易における諸手続きや通関等に詳しい専門家、あるいは信頼のおける物流企業の支援を必要としていることが分かりました。

調査結果では日本の中小企業が輸出から得る収入額は663,000米ドルで、調査対象中小企業の全体収入額の29%にとどまることが判明しました。これは、世界17カ国の1,504,000米ドル(中小企業の全体収入の64%)と比較するとまだ低い水準にあります。しかしながら、日本の中小企業は貿易輸出に対して一程の期待を持っており、アジア太平洋地域への輸出では33%の企業が、アジア太平洋地域以外の全世界への輸出では19%の企業が「今後1年間で輸出による収入増加を見込める」とそれぞれ回答しています。

中小企業は輸出による収入への期待を抱くと同時に、いくつかの課題にも直面していることが分かりました。特に日本の中小企業で多く見られる課題としては「スキルのある人材が不足」(37%)、「製造コストの上昇」(32%)、「自国内競合他社との競争」(30%)が挙げられている他、「貿易に伴う各種規制への知識不足」(16%)も挙げられています。

これらの課題を克服するために、日本の中小企業はあらゆる対策を講じています。26%の企業が「経験のある人材の採用」を掲げている他、23%が「研究開発への投資」、19%が「新規技術への投資」と回答しています。中小企業が外部専門家の支援を必要としていることは、11%が「物流をはじめとした各種サービスの外部委託」を推進すると回答し、23%が「物流企業のサポートが事業上の課題克服に役立っている」と回答していることからも分かります。

また、今回の調査では、昨今市場が伸長している越境EC(越境電子商取引)についても聞いています。その結果、59%の日本の中小企業が越境ECによって収入を得ており、その比率は平均して全体収入のうち17%になっていることが判明しました。さらに調査対象企業のうち、25%が今後1年間で越境ECによる収入増加が期待できると見込んでいます。必要なサービスとして具体的に挙げられたのは、「より早い輸送サービス」(39%)や「現地関税等への専門性」(28%)、「自由度の高い輸送サービスの選択肢」(25%)などであり、全体の84%が物流が輸出ビジネスにおいて重要な役割を担っていると回答しました。

日本の中小企業が輸出を行っている国の上位は1位「アメリカ」(31%)、2位「インド」(25%)、3位「ドイツ」(18%)、4位が同率で「中国」「フランス」「イギリス」(14%)でした。貿易相手として上位に入る中国は、最近越境ECに関して度重なる税制変更を行っており[1]、多くの日本の中小企業にとって貿易規制の改正や新しい税制度の理解など、ビジネスを円滑に進めるための準備が欠かせなくなっています。これらの情報に精通しアドバイスができる物流企業を選ぶことは、中小企業が越境ECをはじめとした輸出貿易でビジネスを成功させるひとつのポイントと言えます。

調査概要

調査方法: インターネット調査
調査期間: 2016年8月29日~9月15日
調査対象: 世界17カ国・地域(ブラジル、コロンビア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、
ポーランド、スペイン、イギリス、インド、中国、香港、シンガポール、韓国、台湾、日本)
にある従業員249人以下で、すでに貿易によるビジネスを行っている中小企業9,000社
(うち日本企業500社)
調査会社: Harris Interactive

[1] 日本貿易振興機構(ジェトロ): 世界のビジネスニュース 中国 2016年4月
https://www.jetro.go.jp/biznews/2016/04/6181f9df4fd460be.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2016/04/d96cf1f9410fe88c.html