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フェデックス エクスプレス、ECの今後の動向を明らかにする デジタルトレンド白書を発表

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香港特別行政区、中国 —フェデックス コーポレーション(NYSE: FDX)の子会社であるフェデックス エクスプレスは、「注目すべきECのメガトレンド(E-commerce Megatrends to Watch)」白書を発表しました。これは世界の越境ECにおけるトレンドの最も大きな動きを考察するものです。

[1]この白書では、世界最大のEC市場である中国で起きている最も重要なデジタルにおける7つのメガトレンドと、それらがどのようにアジア太平洋地域やその他の地域において、ECのトレンドの進展に深い影響を及ぼすことになるのかという点に焦点を当てています。

新型コロナウイルスは、世界中でEC拡大の促進剤となりました。あらゆる規模の企業がこの機に乗じることを望んでいますが、EC大手企業は、ECの新たな分野を再構築しようとしています。この白書は、生活者の行動や姿勢の変化の背景にある要因を検証し、企業が自社の長期的EC戦略を策定する際に考慮すべきトレンドを示しています。

フェデックス エクスプレス、アジア太平洋、中東、アフリカ(AMEA)地域社長のカワール・プリットは、次のように述べています。

「中国はEC分野のトレンドセッターかもしれませんが、この白書では、アジア太平洋と中東、アフリカ(AMEA)地域がこれから先、長年にわたってEC成長の最前線になることが明らかです。可処分所得が増え、インターネット普及が拡大し、国境を越えたEC市場が台頭する中、この地域にはとても大きな成長力があります。物流はECのエコシステムの根幹となるものです。ロボティクス技術からセンサーを活用したモニタリングソリューションまで、我々はECの最前線が進化するにつれ、企業が新たな商機を見いだす上で役立つ、充実したネットワークとスマートなサプライチェーンを構築する方法を引き続き追求していきます。生活者は、つながりのある、共有可能なオンデマンドのデジタルサービスで最善の生活を求めていますが、それは企業も同じです。物流は、こうした物理的な世界とデジタルの世界が交差するところにあります。我々はECの未来をつくり、生活者には面倒なことを省き、中小企業のお客様には事業の成功をサポートすることで、重要な役割を果たすことができます」

ECは世界的に見て、今後5年間で平均47%成長することが見込まれています。アジア市場が51%で成長の先頭に立ち、ヨーロッパ(42%)と北米(35%)が続きます。[2] 中東とアフリカでは、両地域を合わせたEC市場価値が2025年までに730億ドルに達すると予測されています。それでも、中国での成長はアジアの他の地域を凌駕しており、2020年に1兆3,000億ドルに達したECの売上高は、2025年までに2兆ドル近くまで増えると見込まれています。 [3] こうした明るい見通しは、物流企業が成長する多大な好機も生み出しています。世界のEC物流市場は、2021-2028年の間に前年比で最大約6.6%増となり、2028年までに1,188億4,700万ドルに達すると予測されています。[4]

この白書から浮かび上がったポイントは、以下の通りです。



  1. カスタマーエクスペリエンスの再定義: 同白書では、「スマートシティ&ホーム」や「コネクテッドコンシューマー」、「実験的マーケティング」、「ショッピングエクスペリエンス再構築」が相交わったトレンドによって、購買活動がもはや閉ざされたサイロ状態ではなくなることが明らかになっています。オンラインとオフラインの境界線はさらにあいまいになります。 充実したデジタルのインフラ・技術ソリューションが先進段階にある中国や北米、ヨーロッパのような市場において生活者が求めているのは、クラウドシェルフや、オフラインストアでの拡張現実(AR)ミラー、バーチャルリアリティーのホテルツアー、またモバイルでの購入体験のライブ配信のような、充実した技術サービスによる小売り体験の向上です。 5G通信が急速に現実化する現在、企業は高度にデジタル化・パーソナル化されたサービスを提供する近距離無線通信や人工知能、ボットといった新技術の力を活用し、小売業にとどまらない、より充実したつながりのあるカスタマーエクスペリエンスを実現することができます。


これらの進化するトレンドに合わせて、物流業界もお客様に高度な分析を提供するよう取り組んでいます。たとえば、FedEx Surround(フェデックス サラウンド)の技術は、荷物に加えてそれらが行き来する世界に関する関連データを収集・統合することで、企業の可視化を向上させ、予測できる助言や、事前の対応を可能にします。



  1. 未到の達成:もう一つのトレンドは、「市場フロンティアの変化」に関することです。地球の一部地域が、過剰耕作や人口過多となる、またはそれらの最大潜在能力に達する中、第2都市と農村地域は、ブランドが活路を求める地域として台頭しています。通常の小売業者や家族経営店舗は、今やB2BのECプラットフォームでお客様とつながり、国内外の双方で商品をオンライン販売しています。第2都市における中流階級の台頭とともに先進のデジタル・輸送インフラの恩恵を受けた中国、アジア太平洋地域および中東は、デジタルコマースによって旧来型の小売業や家族経営の店舗が再生してきています。こうした未開拓分野での競争は、今後の数年で激化すると思われます。


国境を越えた物流、より広範なネットワーク範囲、また接続のしやすさは、EC事業者が占有率を拡大する上での下支えとなります。そして最初に動いて、顧客に深く根差した広範なリーチを構築した会社が勝者となるのです。

3.  利便性を利用する:他の2つのメガトレンドは、「シェアリングエコノミー」と「時間の購入」です。都市化が進み、デジタルインフラが進化し、生活者の「所有」に対する考え方の変化により、2025年までに世界で3,350億ドルの規模になると言われるシェアードエコノミーの成長に拍車がかかっています。[5] 現在、北米とヨーロッパがその先頭に立っていますが、中国では人口の半数超がこれに加わると見込まれています。利便性は、ブランドが生活者のニーズを満たすために分野を超えて協力し、イノベーションを図るように促す基本要因となっています。カーシェアリングやアパート賃貸からグループ購入まで、シェアードサービスの需要は画期的なイノベーションを促進しています。なかでもECは、生活者にとって重要な時間の節減であり、ワンクリックでの満足感をもたらしています。可処分所得が増えるにつれ、生活の中でオンデマンドサービスを求める需要も急増すると予想されています。世界全体では、生活者の48%が時間を節約するためにお金を使うことを厭いません。北米と欧州の企業は、このオンデマンド サービス エコノミーの未来を再定義する最前線に立っており、多くの企業が宅配により増収となる多大な可能性を見出しています。

コストパフォーマンスと競争力のあるスピードを提供する越境EC向け輸送ソリューション、FedEx® International Connect Plus (フェデックス インターナショナル コネクト プラス)や、FedEx® Delivery Manager International (フェデックス デリバリーマネジャー インターナショナル)は、EC事業者がそれぞれのお客様にパーソナル化したサービスと配送設定を管理・統制する自由を提供できるものです。

フェデックス エクスプレスでアジア太平洋、中東、アフリカ(AMEA)地域のマーケティングおよびカスタマーエクスペリエンス担当上級副社長を務めるサリル・チャリは、次のように語っています。

「我々は、最新テクノロジーが人間の行動を形作り、EC変革における次の波を呼び込むエキサイティングな時代に生きています。接続性、オンデマンドサービス、シェアードエコノミーの強化により、たとえ最も小規模な企業であっても、世界の舞台で競う新たな可能性が開かれるECの新時代がすでに来ています。勝つためには、企業として生活者と関わる方法と場所について考え直し、再創出し続けなければなりません。この白書は、そうした機会がどこにあるのかを指し示しているという点で重要です」

ECの未来はすでに来ています。物流に関わる者にとって、このようなトレンドは、業界が進んでいる方向を示す明確なロードマップと言えます。配送の課題を軽減し、業務効率を最大限に高めるデジタルファーストで、イノベーション主導のECエコシステムを備えることは必須です。すでにフェデックスは、ECの大手企業やテクノロジー企業との戦略的な協力関係を結び、サプライチェーンの近代化を図るなど、いくつかの前進を遂げています。ビッグデータやロボティクス、またAIのような新技術による、さらに画期的な進歩がすぐそこまで来ているのです。

ECに関わる新トレンドや好機に乗じる方法と、サプライチェーンをレベルアップする方法についての詳細は、こちらから白書をダウンロードできます。(英文のみ)

白書の方法論について

本白書に記載されているトレンドは、フェデックス エクスプレスが委託して実施されたデスクリサーチとスコアカード評価、および詳細なインタビューによる調査結果から得られたものです。

[1]https://www.statista.com/topics/1007/e-commerce-in-china/

[2]https://www.statista.com/statistics/1190541/e-commerce-revenue-in-africa/

https://www.weforum.org/agenda/2021/09/e-commerce-fast-growth-online-sales-china-europe-america/

[3]https://www.weforum.org/agenda/2021/09/e-commerce-fast-growth-online-sales-china-europe-america/#:~:text=China%20is%20by%20far%20the,almost%20%242%20trillion%20by%202025.

[4]https://www.prnewswire.com/news-releases/e-commerce-logistics-market-to-hit-new-levels-of-growth-with-usd-118-8-billion-earnings-by-2028--zion-market-research-301407410.html

[5]https://www.brookings.edu/wp-content/uploads/2016/12/sharingeconomy_032017final.pdf