国際総合航空貨物輸送会社であるフェデックス エクスプレス(フェデックス、本社所在地:東京都千代田区、北太平洋地区担当副社長:氏家 正道)は、アジア太平洋地域のグローバルマイクロビジネス(世界的に活動している小規模企業)に関する調査結果を発表しました。調査ではグローバルマイクロビジネスは急成長を遂げ、毎年収益が増加している企業の割合は、中小企業の50%に対し、グローバルマイクロビジネスでは63%であることがわかりました。
今回の調査は2015年9月、フェデックスが調査会社Harris interactiveに委託し、中小企業の中でもグローバルマイクロビジネスを対象に、設立当初から複数市場に拠点を置いている、あるいはインターネット上のビジネスプラットフォームや世界経済の状況にあわせて複数市場への進出を図っている企業の最新の傾向と特性について調べました。[1]
この調査は、2015年12月に発表した調査の第二弾として行われたものです。前回の調査では、輸出を行っている中小企業は、行っていない企業と比較して成長の可能性がはるかに高いことが明らかになりました。今回の調査の結果とあわせて見ても、輸出市場はビジネスに利点をもたらすことが判明しましたが、本調査では、単なる輸出にとどまらず、海外に拠点を置いた場合も同様の利点があることが示されています。
また、アジア太平洋地域内のグローバルマイクロビジネスは、海外進出先を選択するにあたり、同じアジア太平洋地域の市場を好むことも明らかになりました。これらのマイクロビジネスでは、中国における拠点が最も多く、進出している上位8つの海外市場のうち6つがアジア太平洋地域の市場です。
さらに、グローバルマイクロビジネスの事業者は、ビジネスにおいて物流を重要視していることがわかりました。アジア太平洋地域内の対象6市場のうち5つの市場(日本、韓国、中国、香港、シンガポール)で輸送サービスが、「重要な外部サービス」の1位にあげられています。また、71%のグローバルマイクロビジネス事業者が「輸送サービスは重要」と回答しており、うち21%が「生命線」であるとも回答しています。輸送サービス業者に期待するポイントの上位3点としては、「スピードと信頼性」が最も多く、続いて「時間節約のためのツール」「輸送サービスの多様性」「通関や貿易に関する規則への知識と経験」が挙げられました。
調査では、輸出を行うグローバルマイクロビジネスと輸出を行わないグローバルマイクロビジネスでは、企業の成長という観点からも大きな差があることが分かりました。グローバルマイクロビジネスのうち、輸出企業の58%が毎年収益増を達成しているのに対し、非輸出企業はわずか36%でした。この調査結果が示しているとおり、アジア太平洋地域内のグローバルマイクロビジネスの59%が、複数の市場に拠点を置くことで輸出が円滑になると考えています。
フェデックスの北太平洋地区担当副社長である氏家 正道は次のように述べています。「私どもは、事業のグローバル化は大企業だけのものではないと信じてきました。そして今回の調査で、海外に拠点を置く小規模な事業体が実際に成功していることを確認することができました。グローバルマイクロビジネス各社が、事業継続のために頼りになる貴重な資源として貨物輸送サービスを捉えて下さっていることはとても喜ばしいことです。私どもは、これからも様々な輸送ソリューションの提供を通じて、その期待に応えることができるよう努めてまいります」
◎調査概要
調査方法:電話インタビュー、オンライン・インタビュー
調査期間:2015年9月
調査対象:12か国・地域※にある従業員数249人以下の上級管理者595人
※コロンビア、ブラジル、フランス、ドイツ、英国、インド、中国、台湾、香港、シンガポール、韓国、日本
調査会社:Harris interactive
[1] MettlerおよびWilliams、「The Rise of the Micro-Multinational」、The Lisbon Council、2011年