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フェデックス、ロサンゼルス国際空港にてネステ社から持続可能な航空燃料(SAF)を受領

1年間で300万ガロン以上の混合燃料に関する取引 ― 長年の航空機運航での燃料効率改善の成果を基盤とした、フェデックスによる米国初の主要なSAF導入

Two FedEx purple-tail aircraft lined up on a clear day with FedEx arrow overlay in white

テネシー州メンフィス、2025年5月20日——フェデラル エクスプレス コーポレーション(米国:以下、フェデックス)は、持続可能な航空燃料(SAF)および再生可能ディーゼルの世界有数の生産者であるネステとの契約を発表し、フェデックス向けに、ロサンゼルス国際空港(LAX)での納入分として300万ガロン以上の混合SAFを確保したことを明らかにしました。フェデックスは本契約で、ニートSAFであるNeste MY SAFを少なくとも30%含む混合燃料をネステから購入しました。混合された形で使用されるこの燃料は、フェデックスがLAXで年間に使用するジェット燃料の約5分の1を占める見込みであり[1]、米国の貨物航空会社によるLAXでのSAF購入としては過去最大です。燃料の納入は今月初めに開始され、今後1年間にわたり継続される予定です。

フェデックスのチーフ サステナビリティ オフィサー兼環境対策担当副社長カレン・ブランクス・エリスは、次のように述べています。

「SAFの調達は、今後数年にわたる当社の航空分野における排出削減戦略の重要な要素であり、我々の航空オペレーションでこの燃料の使用を開始するにあたり、ネステと契約を締結できたことを喜ばしく思います。フェデックス全体の燃料使用量において、航空ネットワークは世界的に見ても最大の割合を占めることから、この取り組みは排出量削減に向けた最大の機会でもあります。2040年までにカーボンニュートラルな輸送業務を実現するという我々の目標に向けて取り組む中で、業界の需要に応えるためにも、SAF市場が成長し続けることが求められています」

フェデックスの国際部門最高執行責任者(COO)兼航空部門最高経営責任者(CEO)リチャード・スミスは、次のように述べています。

「世界を代表するエクスプレス輸送企業として、米国におけるこの燃料の初導入は当社のサステナビリティ目標の推進につながるとともに、より多くのSAFを調達・使用しようとする航空業界の取り組みを強化するものです。今後も他の新たな技術と並び、SAF市場のさらなる成長が必要であることは認識していますが、今回、この節目を迎えられたことを誇りに思います」

ネステのSenior Vice President, Commercial, Renewable ProductsであるCarl Nyberg氏は、次のように述べています。「ネステはフェデックスと協力し、当社のSAFを通じて2040年までにカーボンニュートラルな輸送業務を達成するという同社の意欲的な目標を支援できることを嬉しく思います。航空貨物が世界経済において重要な役割を果たしていることを踏まえ、フェデックスは、この業界がSAFのような低排出ソリューションを活用することで、環境負荷を低減できることを実証しています。我々は今後さらに協力関係を強化できることを楽しみにしています」

今回のフェデックスによる燃料購入は、2018年に実施された、両エンジンに100%SAFを使用した世界初の商用航空機飛行であるボーイングとのエコデモンストレーター(ecoDemonstrator)飛行試験プログラムなど、他の業界リーダーとともに革新的な持続可能な航空技術を共創してきたフェデックスの長年の取り組みに基づくものです。SAFの調達に加え、フェデックスは航空オペレーション全体の効率向上と燃料消費削減を目指し、航空機材の近代化、燃料節約の取り組み、飛行計画の最適化など、複数の手段を並行して進めています。これらの機材近代化および燃料節減の取り組みを総合的に進めた結果、フェデックスは2024会計年度に、2005年を基準とする航空部門の排出原単位を30%削減するという目標を達成することに成功しました。フェデックスは2008年に初めて航空部門の排出原単位削減目標を設定しました。

持続可能な航空燃料(SAF)とは
持続可能な航空燃料は、従来の化石由来のジェット燃料に代わる、より持続可能な代替燃料であり、これは主に燃料製造過程に用いられる原料からの排出量が少ないことによるものです。 ニートSAFは、従来のジェット燃料と混合されてから使用されており、既存の航空機エンジンおよび給油インフラに対し装置の更新なしで使用できる「ドロップイン燃料」と見なされています。

Neste MY SAFは、従来のジェット燃料の使用と比べて、燃料のライフサイクル全体における温室効果ガス排出量を最大80%[2]削減します。Neste SAFは、使用済み食用油や動物性油脂廃棄物など、100%再生可能な廃棄物および残渣原料から製造されます。

米国および世界的にSAFの生産は拡大を続けている一方で、2024年における世界全体のジェット燃料生産量に占めるSAFの割合は1%未満にとどまっています。すべての航空会社にとって、代替燃料へのアクセスと供給の向上が求められる中、フェデックスは今後もSAFの環境面および経済面での利点を訴求するとともに、その生産拡大を推進していきます。

フェデックスのサステナビリティ戦略および、2040年までにカーボンニュートラルなグローバルオペレーションを実現する目標に関する詳細は、以下(英文)をご覧ください。https://www.fedex.com/en-us/sustainability/our-approach.html

[1] 2025会計年度の燃料使用予測に基づく

[2] ニート(非混合)状態で使用され、CORSIA方式などの確立されたライフサイクルアセスメント(LCA)手法により算出された場合