Asia Pacific (Japanese)

2009年の成田空港におけるフェデックス航空機の事故について

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2009年3月23日に成田国際空港で発生いたしましたフェデックス航空機の事故により、犠牲となった乗務員のご家族、ご友人の皆様には改めてお悔やみ申し上げます。また、この事故によってご迷惑をおかけした日本国民、空港当局、航空会社、乗客の皆様にお詫びいたします。


この痛ましい事故が起きた後、当社は直ちにフライト・オペレーションの手順、企業文化、技術、パイロット訓練プログラムの徹底した見直しに着手しました。その結果と、運輸安全委員会(JTSB)との調査を踏まえ、MD11を皮切りに保有航空機へのヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)システム導入を加速して安全性向上を図るなど、数多くの予防的な安全対策を講じてきました。そのうちのいくつかについては、運輸安全委員会の報告書で言及されています。


フェデックスにとって、安全よりも重要なものはありません。今回の悲劇を受け、訓練やコミュニケーション・プログラム、技術の吟味を重ねてより高い安全性を追求する取り組みは決してやめまいと改めて決意しています。


運輸安全委員会(JTSB)には、何年にも及ぶ徹底的な調査により事故原因、事故につながる要素について調べて頂きました。この度、運輸安全委員会から出された報告書について、フェデックスはその調査結果を理解し、尊重いたします。複合的な要因で起きた事故だというのが、報告書の結論であると受け止めています。


今回の事故を受けてフェデックスが導入した安全強化策には次のようなものがあります。


エンハンスト・エアマンシップ・スキルズ・コース:全パイロットを対象として、たとえ不具合が生じても航空機を操縦できる能力を一層重視したものに研修内容を拡張しました。


アップセット・リカバリー・トレーニング(URT):連邦航空局(FAA)はまだ義務付けていませんが、当社は2年以上前から実施しています。現在連邦航空局(FAA)が求めている以上の研修です。


ランウェイ・セーフティ・トレーニング(RST):他の航空機とは少し異なるMD11の低高度における操縦特性への対応に特化した研修プログラムです。


アドバンスト・クオリフィケーション・プロセス(AQP):当社の研修プログラムは全て、AQPのもとに進められます。これは連邦航空局(FAA)が求める基本的な研修よりも高度な研修システムです。AQPが重点を置くのは現実世界のシナリオであり、これは当社の先進的なシミュレーター環境で再現が可能です。こうした訓練モジュールにおいて、パイロットは飛行環境や航空機システムの問題など、現実に起こりうる脅威にさらされ、困難な状況をうまく切り抜けるための問題解決の手順を実践します。AQPは、現在のトレンドやニーズに基づいて訓練内容を絶えず改良することを可能にしています。


業界内でのコミュニケーション:当社は航空機メーカー、規制当局、MD11を運航する他の航空会社と密接に協力してベンチマーク評価を行っています。


ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)システム:非常に重要なことですが、フェデックスは安全性向上を目的に保有する全てのMD11/MD10にヘッドアップ・ディスプレイを取り付けた業界で唯一の貨物輸送会社です。また、その他の保有航空機(順次退役中の727型機は除く)へのヘッドアップ・ディスプレイの導入も進めています。


ヒューマン・ファクター・コンサルタント・グループの招へい:当社は「ヒューマン・ファクター(事故につながる人的要素)」に対する乗務員の理解を深めるべく、業界トップのヒューマン・ファクター・コンサルタント・グループを招へいしました。ヒューマン・ファクターには内部ファクター(健康状態、空腹度、心構えなど)や外部ファクター(言葉の壁、天候など)があります。こうした要素への対処を訓練する上での当社の革新的アプローチは、パイロットがあらゆる状況に対応できる備えを整えるのに役立っています。


運輸安全委員会(JTSB)の報告書では、この他にも事故以降に当社の導入した数多くの予防的対策について言及されています。