Asia Pacific (Japanese)

フェデックス、新ボーイング777型フレーターでジャイアントパンダを米国から中国へ輸送

press10-05.jpg

世界最大の国際総合航空貨物輸送会社フェデラル エクスプレス(フェデックス、アジア太平洋地域社長:ディビッド・L・カニングハムJr.)は2月4日、2頭のジャイアントパンダを無償で米国から中国に輸送する。今回の輸送はワシントンDCのスミソニアン動物園とアトランタ動物園に協力して実施するもので、スミソニアン動物園生まれで4歳半の雄パンダ(タイシャン)と、アトランタ動物園生まれで3歳の雌パンダ(メイラン)を、ワシントンDCのダラス国際空港から中国の成都まで、「フェデックス・パンダ・エクスプレス」として知られる特別塗装の777型フレーターで直行便にて輸送する。

フェデックスのアジア太平洋地域社長のディビッド・L・カニングハム Jr.は次のように述べている。「今回の特別輸送は、グローバルネットワーク、中国と各国を結ぶ最高のサービス、そして長きにわたり世界中に数々の貴重な荷物を輸送してきた実績を誇る当社だからこそ実現したものです。タイシャンとメイランを成都まで輸送する大事な任務を遂行することで、この絶滅の危機に瀕した種の保護に貢献できることを大変光栄に思います」

自然環境保護活動家によれば、現在生存している野生のパンダは世界でわずか1,600頭と推測されており、今回のタイシャンとメイランの中国への輸送も、世界的なジャイアントパンダ保護活動の一環として行われる。

特別専用機は、アトランタでメイランを乗せてワシントンDCまで移動、ワシントンDCにてタイシャンを乗せた後、大西洋横断ルート運航の準備に入る予定である。今回の専用機には2頭のパンダ以外の貨物は搭載されず、
2頭のパンダはそれぞれ特別にあつらえた輸送コンテナに収容され、2月4日午前中にワシントンDCを出発、
約14.5時間後の2月5日午後に成都に到着する。

フェデックスが今回の輸送に用いるのは最新の双発貨物機である777型フレーターで、燃費効率の高さから、従来よりも短い時間でパンダを輸送することが可能となる。なお、フェデックスは2010年1月初頭、上海と米国間で777型フレーターの直行便を国際路線に就航させている。

フェデックスはパンダの航空輸送だけでなく、ワシントンDCとアトランタにて陸上輸送ならびにロジスティックス支援も提供する。フェデックスの輸送車がキャラバンを組み、パンダを空港まで輸送する際、安全にパンダを輸送できるよう現地の警察が待機するほか、パンダの輸送を担当するドライバーやパイロットは、フェデックスの経験豊富な社員の中から選定される。

フェデックスは、パンダに安全で快適な旅を提供するために、スミソニアン動物園、アトランタ動物園および中国成都の事務局と連携し、必要なすべての事前対策を講じた。また両動物園の飼育専門家が777型フレーターに特別に同乗し、成都までパンダに付き添うことになっている。成都に到着後、タイシャンは中国野生生物保存協会に、またメイランは中国動物園協会に引き渡される。その後、タイシャンは四川省にある中国パンダ保護研究センター臥龍自然保護区で、またメイランは成都のパンダ繁殖研究基地で飼育される予定である。

安全上の取り決めにより、各空港におけるパンダの離着陸に関する詳細は一般には公開されないが、フェデックスではパンダの空の旅に関する最新情報を専用の英語ウェブサイト(news.fedex.com/pandas)にて公開する予定である。

中国において比類なきサービスを提供するフェデックス
フェデックスは1984年に中国市場に参入しており、現在中国はフェデックスにとって最も急成長を遂げている市場のひとつとなっている。フェデックスは現在、中国で7,000人以上を雇用し、中国全土400以上の都市でサービスを提供している。また、2009年2月6日に稼動を開始した中国広州のアジア太平洋地区ハブも、近く1周年を迎える。

珍しい貨物の輸送でも豊富な実績を誇るフェデックス
フェデックスは長年に渡り、貴重な貨物や取り扱いに注意を要する荷物を輸送している。2000年にはタイシャンの親にあたる雌雄のパンダを中国からスミソニアン動物園に輸送し、2003年には中国から別のパンダをメンフィス動物園に運んでいる。

パンダ以外にも、北極熊、ホワイトタイガー、象、ペンギン、ライオン、ゴリラ、ワシから、映画『ジョーズ』の撮影に使われた全長13フィート(約4メートル)のイタチザメまで輸送した経験を有する。また動物以外にも、デンマークからの風車輸送、重量1万1,000ポンド(約4,990キログラム)のヘリコプター、そして重量5トンもの通信衛星を輸送した実績もある。