フェデラル エクスプレス コーポレーション(米国:以下、フェデックス)は、アジア太平洋地域と欧州間の貿易動向に関する調査を行いました。本調査では、同地域における国際取引を推進する主な要因と課題が明らかになりました。
本調査は2025年9月に実施され、アジア太平洋地域13市場の中小企業850社と欧州9市場の中小企業1,200社以上を対象に、欧州市場への進出を図るアジア太平洋地域企業、ならびにアジア太平洋地域市場での機会を模索する欧州企業について、その意欲、準備状況、直面する課題を把握することを目的としています。
調査の結果、アジア太平洋地域の中小企業の76%が「過去1年間で欧州向け輸出量が増加した」と回答しています。ヨーロッパに進出する日本の中小企業にとって、最も一般的な最初の市場はイギリス(28%)、ドイツ(20%)、イタリア(14%)で、現在の主要な輸出先はドイツ(64%)、フランス(56%)、イタリア(56%)、イギリス(54%)です。
欧州側でも同様の傾向が見られ、87%の中小企業が「アジア太平洋地域向けの輸出比重を高める、または現状を維持する」と回答しました。今後2年間における有望な市場としては、中国(55%)、日本(36%)、韓国(24%)が挙げられています。また、日本の中小企業の40%が「EUとの貿易に対する見方がより前向きになった」と回答しています。こうした企業マインドは、実際の貿易動向にも反映されており、「アジア–欧州間の貿易ルートは2025年8月時点で30ヶ月連続の成長を達成する」[1] など、企業規模を問わず重要度を増しています。
貿易ルートの変化は、中小企業にとっての新たな機会の広がりを示す
アジアと欧州間の貿易成長は、複数の重要な要因によって牽引されています。アジア太平洋地域(68%)および日本(63%)では、「強い消費者需要」が欧州進出の主な理由として挙げられています。
アジア太平洋地域企業が今後1〜2年で重点市場と見なしているのは、英国(42%)、ドイツ(40%)、フランス(38%)です。日本企業ではドイツ(30%)、フランス(30%)、英国(26%)、イタリア(18%)、オランダ(18%)をターゲットとしています。今後12〜24か月以内に、アジア太平洋地域の85%、日本の44%の企業が欧州との取引開始または拡大を計画していることも明らかになりました。
一方で、アジア太平洋地域および欧州の中小企業は、今後の課題も認識しています。規制の変更、複雑な税関手続き、世界市場の不安定性は主要な懸念事項であり、こうした要因がアジア太平洋地域の企業の86%、日本企業の70%、欧州企業の78%のビジネス遂行へ影響を及ぼしています。
これらの課題を克服するため、中小企業は解決策を求めています。アジア太平洋地域の30%、日本 の22%、欧州の 41%の企業が、サプライチェーンの可視化、出荷プロセスの効率化、配送時間の短縮につながるデジタルツールの強化を必要としています。さらに、アジア太平洋地域の27%、日本の22%、欧州の41%の企業が、変化する規制への的確な対応、遅延の回避、コストの効果的な管理のために、より高度な税関に関する専門知識を求めています。
アジア–欧州間の需要に、容量・信頼性・デジタル知見で応えるフェデックス
フェデックス アジア太平洋地域 マーケティング&カスタマーエクスペリエンス上級副社長のサリル・チャリは次のように述べています。
「世界貿易が大きく変化する中、アジア太平洋地域と欧州の中小企業がアジア–欧州間の貿易拡大に強い自信を示していることは非常に心強いことです。フェデックスは、グローバルネットワークの輸送力、デジタルイノベーションの力、そして貿易に関する深い知見を組み合わせ、お客様がよりスマートに、効率的かつ確信を持ってビジネスを展開できるよう支援しています。」
日本におけるフェデックスの代表者、マネージング ディレクターの久保田 圭は次のように述べています。
「欧州は日本のお客様にとって重要な市場です。我々日本のチームは、欧州チームと緊密に連携し、輸送業務効率の向上とサービスの向上を継続的に推進することで、お客様の成長を力強く支援していきます。」
フェデックスは急増する貨物需要に対応するため、アジアから欧州へ向かう週5便の新規フライトを追加しました。また、ベトナムと欧州を結ぶ接続も強化し、輸送時間を1日短縮しました。
現在、フェデックスはアジア太平洋地域から欧州へ向かう貨物を週26便運航しており、主要欧州都市へのエクスプレス配送を最短48時間で実現しています[2]。
同社の統合型航空・陸上ネットワークは欧州でも屈指の規模と速度を誇り、フランス・パリとベルギー・リエージュの主要拠点を中心に、45の国・地域で550以上の集配拠点を展開し、1日あたり200万個以上の荷物を仕分ける能力を備えています。
さらにフェデックスは、国際取引を簡素化するスマートなデジタルソリューションと通関に関する専門的な知見も提供しています。電子商取引書類のデジタル送信により通関手続きを効率化できるほか、FedEx インポートツールでは、通関状況の追跡、リアルタイム通知、必要書類のダウンロードが可能です。また、フェデックス Go-To Europe Hubでは、マルチメディア資料、貿易ガイドライン、各国市場インサイトなどを提供し、アジア太平洋地域企業が欧州で安心して事業拡大・競争できるよう支援しています。詳細は fedex.com/tradeをご覧ください。
本調査について
本オンライン調査は2025年9月、Milieu Insight社がアジア太平洋地域の13市場(オーストラリア、ニュージーランド、中国、香港、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナム)にて、またMortar Research社が欧州9市場(英国、フランス、スペイン、トルコ、オランダ、ポーランド、イタリア、ベルギー、ドイツ)にて実施しました。
国際取引を行う欧州企業1,205社、および欧州向け取引を行うアジア太平洋地域の中小企業850社から回答を得ています。レポート全文(英文)はこちらからダウンロードいただけます。
[1] 国際航空運輸協会 2025年9月
[2] サービスの利用可否や輸送所要時間は、出荷地域および仕向け地の郵便番号によって異なる場合があります