Asia Pacific (Japanese)

フェデックス、AIブームを背景にアジア太平洋地域で拡大する半導体およびデジタルインフラのサプライチェーンに関するレポートを発表

半導体企業の35%がアジア太平洋地域での事業拡大を計画、サプライチェーンのレジリエンスを重視する姿勢も明らかに

AI Boom Creates Surge in Semiconductor and Digital Infrastructure Supply Chains Across Asia Pacific, New FedEx Report Reveals.jpg

シンガポール、2026年10月7日 — フェデラル エクスプレス コーポレーション(以下、フェデックス)は、フロスト&サリバンと共同で作成した、アジア太平洋地域における半導体エコシステムの進化を分析するレポートを発表しました。同レポートでは、人工知能(AI)、高性能コンピューティング、電気自動車(EV)、高度な通信技術の需要拡大が、半導体生産を加速させ、AI経済を支えるデジタルインフラへの投資を促していることが示されています。こうした動向に伴い、地域内外のサプライチェーンは一層複雑化しており、スピード、可視性、レジリエンスの重要性が高まっています。

本レポート「AIからEVへ:APACの半導体が世界的なイノベーションマップを推進する方法」では、アジア太平洋地域が世界の半導体エコシステムの中核を担い、世界の半導体産業売上高の約58%を占めていることを示しています[1]。各業界で、AIアプリケーション、データセンター、コネクテッドデバイス、次世代自動車を支える先端半導体への依存度が高まっています。こうした中、半導体や関連技術・部材を複数の市場間で円滑かつ効率的に輸送することが極めて重要になっています。

フェデックスが半導体業界で最も影響力のある展示会の一つである「SEMICON Taiwan 2026」の会場で実施した最新の調査では、地域市場の継続的な成長への期待が改めて示されました。回答者の約8割が、今後3年間で半導体需要の伸びが最も大きいと見込まれる市場として、台湾、東南アジア、中国本土、日本を挙げています。

フェデックスのアジア太平洋地域社長、サリル・チャリは、次のように述べています。
「今後のイノベーションを形作るのは、半導体の進化だけではありません。AIやデジタルインフラを支えるサプライチェーンの強靭性とレジリエンスも、同様に重要な要素です。AIインフラへの投資が加速する中、企業は半導体に加え、サーバーやネットワーク機器、冷却システム、先端技術部品などに関わる、複数の市場にまたがる複雑なサプライチェーンを管理しています。こうした環境では、レジリエンス、可視性、俊敏性が競争優位性を左右する重要な要素となっています。フェデックスは、アジア太平洋地域に広がるネットワーク、グローバルな輸送網、高度な物流ソリューションを通じて、お客様の重要なサプライチェーンを支え、生産拠点からデータセンターまで、イノベーションをより迅速に届けることを支援しています。」

AIインフラが半導体需要拡大を支える主要因に
同レポートでは、AIと高性能コンピューティングを、半導体需要をけん引する分野の中でも特に高い成長が見込まれる領域として挙げています。2026年から2035年にかけて、世界では2,000を超える新たなデータセンターが建設される見通しです。

AIの拡大に伴い、半導体にとどまらず、高密度サーバー、ネットワーク機器、冷却システム、電力関連ソリューションなど、関連インフラ全体の需要も高まっています。これらの重要な技術は、世界各地のAIデータセンターに導入されるまでに、複数の製造、組立、試験拠点を経由することが多く、サプライチェーンはますます緊密につながり合っています。そのため企業は、高額で時間的制約のある貨物の輸送において、スピード、可視性、越境輸送の円滑さを備えた物流事業者を一段と重視するようになっています。

また、従来の自動車よりも大幅に多くの半導体を必要とするEVに加え、5G、IoT、民生用電子機器、医療機器、産業オートメーションも、幅広い業界で半導体需要をさらに押し上げています。

アジア太平洋地域が世界の半導体エコシステムを支える
同レポートでは、アジア太平洋地域が半導体の技術革新と生産において中心的な役割を担っていることが示されています。半導体製造は単一の市場に集中するのではなく、専門性の高い拠点に分散しています。各市場の主な強みは以下の通りです。

  • 中国:主要な材料供給地および消費市場であり、半導体製造拠点としての存在感も高めている市場
  • 台湾:世界の先端半導体製造をリードし、世界のファウンドリー生産の約60%を担う市場
  • 韓国:メモリ半導体の生産および先端製造能力における世界的リーダー
  • 日本:半導体製造装置、材料、特殊製造資材の分野で重要な役割を担う市場
  • 東南アジア:半導体の組立、パッケージング、試験工程の重要拠点として台頭する地域

こうした専門化により、相互に緊密につながるエコシステムが形成されています。最終製品が市場に投入されるまでに、半導体の設計、製造、パッケージング、試験、導入が複数の国や地域で行われることも少なくありません。ハイパースケーラーに加え、中小企業も高付加価値のニッチ分野における成長機会の拡大を追い風に、重要な役割を果たしています。

こうした地域内での分散および連携の流れは、業界の動向にも表れています。フェデックスが「SEMICON Taiwan」で実施した調査では、回答者の35%が、今後3年間で自社の製造拠点をアジア太平洋地域内の他市場へ拡充する見込みであると回答しました。さらに25%が、アジア太平洋地域または世界全体で、調達先の拡大・分散を進める計画があるとしています。これらの結果から、成長を支えるうえでサプライチェーンの多様化を重視する動きが強まっていることがうかがえます。

サプライチェーンは効率性重視からレジリエンス重視へ移行
地政学的な不確実性、規制の複雑化、その他の外部要因による混乱は、引き続き事業運営上の課題となっています。こうした中、サプライチェーンのレジリエンス強化は、企業にとって重要な戦略課題となっています。

本調査では、回答者の30%が事業成長における最大の課題として地政学的混乱を挙げており、レジリエンス重視へのシフトを裏付ける結果となりました。この割合は、事業運営コストの上昇や越境貿易・通関手続きの複雑さを挙げた回答者の割合を上回っています。

こうした状況を受け、従来のジャストインタイム運用モデルを補完する形で、よりレジリエンスの高いサプライチェーン戦略の導入が進んでいます。拠点の地理的分散や安全在庫の確保などがその例です。これに伴い、高額で事業運営に不可欠な貨物の輸送を支える、信頼性の高い国際物流ネットワークへの需要も高まっています。

物流が半導体産業の次なる成長を支える
半導体サプライチェーンが複雑化し、世界規模での相互接続が進む中、今回の調査結果からはスピードと可視性が今後の物流戦略で一段と重要になることが明らかになりました。回答者の44%が、今後3年間に物流およびサプライチェーンのパートナーを選ぶ際に最も重視する点として、より迅速な国際輸送を挙げています。

こうした需要に対応するため、フェデックスは毎日台湾と韓国を結ぶ直行便の運航を開始し、貨物受付の締め切り時間を3時間以上延長することで、ハイテク業界のお客様により柔軟な出荷体制を提供しています。あわせて、台湾の桃園トランスシップメントセンターを拡張し、処理効率と取扱能力を高めることで、地域内で増加する半導体および先端技術関連貨物の輸送を支えています。

本レポートは、アジア太平洋地域で進展するAIおよび半導体のエコシステムに関する知見を企業に提供するものです。新たなサプライチェーントレンドや成長機会、今後のイノベーションを支えるために必要な物流機能への理解を深める一助となります。レポート全文はこちらからダウンロードいただけます。

調査概要
本調査はフェデックスが委託し、2026年9月2日から4日にかけて台北で開催された「SEMICON Taiwan」の会場にて実施されました。回答は、アジア太平洋地域、欧州、北米の企業、業界団体、研究機関に所属する半導体業界関係者478名から得ました。調査では、アジア太平洋地域の半導体エコシステム全体を対象に、成長見通し、サプライチェーン戦略、事業拡大における課題、今後求められる物流要件について分析しました。

[1] AIからEVへ:APACの半導体が世界的なイノベーションマップを推進する方法